スタイリッシュに思われたい

2011.05.26

ファッションとは、自分がどう見られたいかを他人に視覚的に伝える方法なので、みんなスタイリッシュに思われたいのは山々だけど、そのために周到に計画して大枚はたいているように見えてしまったらダサいからだ。魅力的だったり上品だったりすることもそれなりに大事だが、無頓着を装うことこそ、ファッションアイテムの聖杯である。私たちは、『ザーソプラノズ』このドレアーデーマッテオが共同所有するマンハッタンのツィンデージーストア、フィルスマートのような店で買い物をする。商品イメージとしては、ヘルスーエンジェルスとジュエルを足して二で割ったような感じ、といったところだろうか。ヒップーホップーファンは、自分が今も「ストリート」の人間であることを証明するために、アーバンウェアに大金を注ぎ込む。ファットーファームのデニムとウルトラースウェードのパンツが一五〇ドル。エニーチェの「防弾」ナイロンーペストが九七ドル。ザーノースーフェイスのモコモコのダウンージャケットが一九九ドル。シンプルなワイフビーター・タンクトップだって、ブランドによっては1〇〇ドル以上することもある。プロヴァンスの農場でバター作りをする娘のように見られたくて、似非ボヘミアンーショップのアンソロポロジーでペザントーブラウスを買い、ダウンタウンのクールさを気取りたいがために、アーバンーアウトフィッターズで八〇ドルのグランジっぽいパンツを買う私たち。