例えばコットンの白シャツや、シンプルな黒のセーター。こんなベーシックで、「私が私が」とやかましくない、静かなアイテムこそ、どう着こなすのか……の、ベクトルをクリアにすることが大切。プレーンな白シャツを、これまたオーソドックスなグレーのスリムパンツと「何となく」スタイリングしては絶対にだめ。コーディネートの具体例を2つ。迫力があって艶っぽいイタリアの女性をイメージしたら、キャメル色のクロコの型押しのベルトをし、大きめのフェイスの時計と、エスニックなブレスレットとイェローゴールドのハングルを重ねづけ。そしてネックレスはあえてしないで、シャンデリアタイプの大ぶりのピアスを。バッグはブラウンのボストンバッグで、靴(スニーカー)はブラウンのアンクルブーツを。逆に繊細でフェミニンなフランスのマダムを目指すなら、胸元にはまずパールを飾る。グレーと同系色のスカーフをベルト代わりにし、黒のエナメル素材の小さなバッグに、同じくエナメルを使ったラウンドトウのパンプス。カメオの大きなリングを人差し指にし、仕上げは真っ赤なカーディガンを肩から羽織ってと、このようにイメージを明確にすれば、選ぶ小物も、きかせる色も、そしておそらくメイクの仕方や、歩き方まで、思い描く方向に向かっていくのだと思うのです。そしてそれは、どんな「味」にも料理できる、ごくごくシンプルな白シャツや黒のセーターだからこそできるのだし、そんなアイテムだから、確かな調味料で「料理」しないとおしゃれにはなれないのです。
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