オートバイの素敵なところは、ひとことでいえば、玩具である、ということです。オモチャなんですよ。所詮は、オモチャ。しかし素晴らしいオモチャである。実用性を考えるならば、誰だって車輪が四つあるほうに乗るでしょう。こんな不安定な乗り物に乗る筋合いなどない。しかし、やっぱり玩具は愉しいよね。たとえば一時期、二五〇CC四気筒オートバイなんて、二万回転近くまでエンジンがまわったでしょう。公道を走る乗り物で、こんなエンジン回転なんて、信じがたいよね。
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でも、それこそがオモチャがオモチャたる所以で、オモチャだからこそ、できることなんだけど。オートバイに醒めてきてしまったなんて書いたけれど、オートバイそのものは、つまりメカニズムは大好きです。ああ、そうだ。ちょっと実験をしてみましょう。手の甲を顔に近づけて、そーっと息を吹きかけてみてごらん。息のあたったところが温かくなったでしょう。では、こんどは同じ場所を、勢いよく吹いてごらん。冷たく感じるでしょう。これを応用したのがスズキの油冷エンジン。つまり息をそっと吹きかけたら熱をもってしまうけれど、息の勢いを強くしていけば、こんどは冷却することができる。