在学期間延長をめぐるヨーロッパ諸国の事情

2012.01.14

ヨーロッパ諸国において、在学期間を延長することによって、雇用情勢の困難をしのいでいるのには、以下のような理由が指摘されている。一つは、在学期間を長びかせることは、将来につながる人的投資であるという観点から上級の学校に行くことが積極的に評価されている面があることだ。二つには、多くの国で教育改革が行われ、若者にとって学校が魅力あるものになったことがある。さらに三つめとして、公的な財政面での支援措置が充実したことがある。

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労働市場に参入して失業の憂き目にあうくらいなら、学校にいる時間を長引かせるほうが、若者にとって好都合な選択になっているのである。たとえば、大学への進学率が急速に上昇したフランスでは、かつては難しいと言われていたバカロレアの合格者が大量に増加するとともに、授業料がただの国立大学の何処へでも入学できるという寛大な措置が図られてきた。こうした政府の政策的な意図も、若者の進学率上昇に拍車をかけたものと考えられる。しかし、その背景には、より多くの若者を教育するための経済的負担を担えるほど、社会が豊かになったことがあると考えられる。ただし、日本では私立大学の設立によって、若者たちの進学率が上昇したが、ドイツやフランスでは、国立大学の授業料免除という環境のなかで、若者の高等教育の普及が進展したなどの相違はある。